イケてない日2009/06/02 19:27

どんな風に撮影しているか想像してはいけないゲーム
過ごしやすい天気に恵まれた、何も予定のない平日休み。
 
家にいるのが勿体なくて、愛機のエンジンを始動し、
地元のワインディングに向かう。
 
だけど、気分が高揚しない。
人もバイクもコンディションは良い筈なのに。
僕が基本的に祝祭日ライダーで、平日の一般道に慣れていないせいだろうか。
周りのクルマのリズムに違和感を感じる。
ネガティブな予感が、
漠然とした不安が身を包む。
 
バックミラーの死角に、白バイが隠れていないか?
横のクルマは、合図もなしに突然車線変更してきやしないか?
日陰の湿った路面は、どの程度グリップしてくれる?
対向車線からクルマがはみ出して来ないか?
 
バイクの調子はどうなんだ?
 
5、6月はキャブセッティングの端境期だ。
冬用セットでも夏用セットでも、
フィーリングは絶好調の状態よりほんの少し、落ちる。
エンジンの調子が変われば、コーナリングも変わる。
危険じゃない範囲で小さなミスを繰り返しながら、その差をアジャストしていく。
しかし、この作業が上手く行かないことも、もちろん、ある。
 
ふと、道端に投げ出され、傷ついたマシンと項垂れる自分のイメージが浮かぶ。
どうしてこんなにも不安なんだろう。
初夏の青空が白々しく不気味に思えてきた。
経験的に、こういう感覚があるときは無理をしないほうがいい。
 
 
アクセルを開ける右手にセーブをかける。
 
---
 
乗り手がある程度動きにメリハリをつけて、
アクセルをきちんと開けないと、刀は鈍重でつまらないオートバイになってしまう。
重量車だけが持つ、まったり走行の安定感も
(たまには)悪くないけれど、
その部分で刀より優れたオートバイはいくらでもある。
 
遅いから必ずしも安全かというと、そうでもない。
中途半端な速度でコーナーに侵入すると、
バイクは却って曲がらないし不安定になってしまう。
マシンにとって、そのコーナーを通過する理想的な速度域ってのがある。
(乗りづらいマシンは、この速度域が狭いか高い)
 
タイアにしっかり荷重を載せて、
サスペンションとタイアに仕事をさせてあげることで、
マシンはいきいきと躍動をはじめる。
 
---
 
いつもと違う違和感を感じながらも、
姿勢を低くして、少しずつ、注意深くアクセルを開けていく。
 
すると、左ブラインドコーナーを抜けた先で、
見知らぬオサーンが、道のど真ん中を無防備に横切ってきた!

民家なんて殆どない山間の県道で、あんた一体何やってンすか~!?
 
マシンを起こして急減速!
刀の細いフロントタイアが悲鳴を上げる。リアも同時に流れ始める。
オフセットした身体を下半身で支え、マシンのバランスを保つことに全神経を集中。
後は刀が助けてくれることを祈るのみ。
くそ、絶対にコケるもんかぁぁぁ!
 
どうにか体制を立て直して、オサーンを回避。
オサーンは何事もなかったかのようにそのまま歩いて去っていく。
立ち止まることも、僕と視線を交わすこともなく。
 
近づいてくるバイクの音が聞こえなかったんだろうか。
うん、静かなバイクはやっぱり危ない。
 
…じゃない、もしペースを抑えていなかったら、
ひょっとして、かなり酷いことになっていたかもしれない。
 
---
 
予定していたルートの半分くらいだったが、
その後はテンションががっくり下がってしまい、とろとろ帰路に着いた。
気が付けば、嫌な予感は消えていた。
 
なんだろね。これ。まったく。

コメント

_ 仙人@会社 ― 2009/06/02 20:31

それはね
守護神が助けてくれたのさ。
人間の第6感て信じてしまうでしょ?。
これは、昔野生だった人間の本能なのさ。(makotoさんてば野獣だった?(ばきっ

_ gizmo ― 2009/06/02 21:27

ほんと良かったですね。ほんとに。 次回は良いことあるでしょ!

_ きんぐぢょ ― 2009/06/02 21:50

思い過ごしっすyo・・・バキッ!!( -_-)=○()゜O゜)あうぅ・・・

とてつもなくイイこともそうそう有るもんぢゃありませんけれど、
とてつもなく悪いこともそうそう有るもんぢゃありませんよ。
しょっちゅうある人やっぱフツーぢゃないと(笑

_ McCourt@あどみん ― 2009/06/03 08:58

「なげーよ!」って誰も書いてくれないから自分で書くw
 
> 仙人殿
 
僕は、昔から自分の身に何かが起こるときに予兆みたいなものを感じていることが多いです。
もちろん、いつもという訳ではありませんが。
問題は、殆どの場合、アクシデントを回避できないってこと(笑)
 
「俺もあるある」みたいなコメントが入るかなーと思って期待していたのですが、
意外とそうでもないんでしょうか。
 
男の子はみんな野獣です。野獣だと思います。たぶん(笑)
 
> gizmo氏
> ほんと良かったですね。ほんとに。
 
良かったです。ほんとにw
 
でもこーいう体験は、精神的に割と尾を引くんですよ。
実際、こないだの転倒より立ち直るのに時間がかかるかもしれません。
自分が傷つく可能性より、他人を傷つける可能性のほうがよほど恐ろしいです。
 
あ、今回の写真は例のカメラで撮りました!
 
> きんぐぢょ氏
> しょっちゅうある人やっぱフツーぢゃないと(笑
 
ないとw
 
つか、そうそうあっては困りますw

_ 仙人@会社 ― 2009/06/03 10:33

>男の子はみんな野獣です。野獣だと思います。たぶん(笑)

ん~!端から見ていて・・管理人殿の場合は・・

 優等生過ぎて、野獣になり切れていないのではないかと・・思う今日この頃?。

これを乗り越えると、大きくなる気がするんだがなー。

”おまえに何が解るっ!!”って?、・・ごもっとも、よけいなお世話・略。

_ nakamura ― 2009/06/03 21:10

去年転んだときは
1、出掛けに鍵が見つからないのでスペアキーで出発
2、途中でデコンプワイヤーが切れる
3、何度か通った事があるのに道を間違えた
4、いやにステップを擦った
こんなにアラートがあったのに結局転んじゃいましたw
鋭い第六感が欲しい!

_ gizmo ― 2009/06/03 21:17

>自分が傷つく可能性より、他人を傷つける可能性のほうがよほど恐ろしいです。
確かに。もしそうなったら、オレどうすんだろうって思うこと有ります。 
>あ、今回の写真は例のカメラで撮りました!
なんと!シブい!巧い!ええアングルやぁ~ヽ(゚∀゚)メ こりゃ早いところ広角レンズを入手しましょう!

_ McCourt@管理人 ― 2009/06/04 00:04

> 仙人殿
> 優等生過ぎて、野獣になり切れていないのではないかと
 
人は見かけによらないのですよ。ふふふ。
(むしろ劣等生であると自負ふふ orz)
 
> nakamura氏
> 鋭い第六感が欲しい!
 
第六感に従う自制心もセットで!w
 
> gizmo氏
> こりゃ早いところ広角レンズを入手しましょう!
 
さきほど、塾ちょお勧めのレンズ、SMC-PENTAX M28mm F3.5を落札しましたよ~。
出品者が長野県のカメラ屋さんで一ヶ月の保証つきです。ま初心者ですからw

_ つねお ― 2009/06/04 21:13

カタナの写真・・・グッジョブ!
自分もたまにニンジャに乗ると思うことがあります
パワーがあるって、、、怖い、って
そりゃぁ、最近のバイクに比べりゃ大した事無くてもSRXに比べりゃ
パワーも車重も倍なのね、って、思い知らされる。
自分自身でアジャストしないとね、、、
とりあえず、危険回避できてよかったですね。m(_ _)m

_ gizmo ― 2009/06/04 23:21

>さきほど、塾ちょお勧めのレンズ、SMC-PENTAX M28mm F3.5を落札しましたよ~。
おわぁ!アレですか!<チェックはしてたらしい
いいないいなぁ( ゚∀゚ ) 楽しみですねえ。

_ McCourt@管理人 ― 2009/06/05 08:37

> つねお氏
> パワーがあるって、、、怖い、って
 
以前から、刀のパワーにちょっと物足りなさを感じていて、
でも、あのタイアと足回りでは今以上のパワーアップはちょっと危険かなと思って、
蟻ン子ゲトしていい気になっていたらあの有様です(笑)
 
そらいろ号でときどきコースを走るようになって、
まだまだマージンを削らずに
速く走れることがわかったときは嬉しかったですねえ。
乗り手のチューンが一番コストパフォーマンスが高いですよw
 
> gizmo氏
> おわぁ!アレですか!<チェックはしてたらしい
 
あはは。そうそう出ているものでもないので、
ニアミスするんじゃないかとは思っていました(笑)
四千円台で落としたかったとこですが、
塾長と違って直せないからジャンクには手ぇ出せないっす(汗)

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